滋賀県立大学卒業論文作成の基礎資料として、アンケートと森林セラピーの体験にお越しいただきました。
梅雨の不安定な空模様のなか、ときおり小雨と蒸し暑さ。ヨキトキ川を右に左に縫いながら調子が滝までの往復コース。
香りのある木を標本展示している。ダンコウバイ・アブラチャン・クロモジ・タムシバ・ヤブニッケイ・ゴマノキ・ミズメ、まずフイトンチッドの香りを嗅いで五感を開いていただく。鼻の香り感覚は脳幹に直結しているからだ。
そのあと、触覚を開く ヤブムラサキのフランネル布のような柔らかい感覚を目を閉じてあじわう。虫メガネでみると裏表にたくさんの毛が密生していることが分かる。
セラピーロードを縫うように走るヨキトキ川、ヨキとは斧、トキとは砥ぐ意。古代朝廷に必要な用材を搬出するため山の木を切り倒した斧を砥いだ川。ヨキトキという名も古くからある名前であろう。川をわたりびわ湖を抜けて、瀬田川・木津川と川の水の力により運搬されて奈良の都に送られた。またもともと、このマキノという名は古代から朝廷の馬を育成した場所として、「まきの」・「牧野」の名がつけられた。また、古代の製鉄所の遺跡が残っている。この付近の山には鉄鉱石があり、炭を焼いてその火力を利用して製鉄が行われていた。朝鮮から渡来した裕福で新しい技術と知識を持った豪族が古代から暮らしていたと考えられている。製鉄のために「炭」をつくるのにたくさんの木が必要で山の近くに製鉄所が残る。(もののけ姫の世界である)
小雨がちらちらするなかで、シラカバの林でハンモックを吊る。それでも空は明るいがありがたい。ハンモックに寝そべって空と雲と風に揺れるシラカバの枝葉をながめてもらう。ゆったりとした森の時間、オカリナでもののけ姫を演奏する。森の空間に土でできたオカリナの楽器が良く合う。びわ湖の水を浄化する力を持つ「よし笛」も良い。自然に近い素朴な音色の楽器が自然には良く合う。
高さ13mの調子が滝、昨日一昨日のゲリラ豪雨で水量が多いが濁りはない。瀑布の波動・マイナスイオン・澄んだ冷気に包まれて、吸気の冷たさ・呼気の温かさを感じながら深呼吸を繰り返していただく。
帰りのコースでは、素足になって川に入り治山ダムの滝にもろに近づいて、瀑布を感じ取る。お大きな音がしているが、野鳥のさえずりが聞こえてくるのはなんでだろう。不思議だ。
14時から16時半まで。セラピー基地に戻ってアンケートにお答えして終了とさせていただいた。
追記:森林セラピーの効能実証データにはフジカル分野とメンタルの分野がある。近年はメンタルヘルスのことが注目を集めている。スマホで「こころろCOCOLOLO」という無料アプリによるココロのストレス度測定がある。