実施するプログラム具体例

所要時間2時間30分
①9:30~12:00 ②10:00~12:30 ③13:00~15:30

1.準備運動

まず、散策するまでに準備運動として全身のストレッチをしますが、胸いっぱいに森の空気を取り入れることを念頭に肩と肩甲骨、背骨のストレッチをします。

2.呼吸法

散策中の早い段階で、呼吸法をご指導させていただきます。案内人により方法は様々ですが、私の場合は、鼻から吐いて鼻から吸うことと腹式呼吸を基本としています。1,2,3と吸って4で止め、新鮮な空気が身体に浸み亘っていくことをイメージしていただき、その後1から8まで数えてゆっくり吐きだすことの繰り返し。鼻からのど、気管から肺、そして身体全身を新鮮な森の空気が巡りゆく感じをイメージしていただきます。この時、頭頂から上に体が吊られているようなイメージをもってもらうと背筋がのびますし、体を揺すってお尻が安定する位置に収めることも大事です。内臓器官の筋肉のうち自分で調整できるのは横隔膜の筋肉のみ。この横隔膜の筋肉を自分で自由に調整して動かし呼吸を調えることが自律神経を調えることに役立ちます。立ったままでもできますが、できれば腰かけてゆったりと時間をかけたいプログラムです。

次に、散策中に自然のものを五感を通して感じていただきます。

沢の水やコケ、植物の葉っぱの裏表やいろいろな樹木の樹皮に指先や手のひらで感じる感触を楽しんでもらいます。目を閉じてゆっくりじんわり丁寧にさわっていただくことが大切です。

ヒンヤリ、柔らか、厚くて硬い、薄くてやわらか、毛羽立って絨緞のようフワフワ、モクモク、サラサラ、ザラザラ、ゴワゴワ、ヒリヒリ、チクチク、ポカポカ、スベスベ、ツルツル。

植物の持つ香り、アロマの香り、レモンの香り、サロンパスの香り、石鹸の香り、バラの香り、ゴマの香り、サンショの香り、昔を思い出す土の香り、新築の家の香り、風の香り、空気の香り鳥のさえずり、葉っぱを揺らす風の音、葉っぱが地面に落ちるユラユラした音、小川のせせらぎの音、また、目を閉じ、じっとたたずみ耳を澄ますとそこは周囲と隔絶た、音のない静寂の世界だったりします。

さて、自然の色はどんな色でしょう。植物の色は緑といっても様々の緑があります。それを色合いと呼んで良いでしょう。太陽に輝く緑もあれば、木陰の黒っぽい深緑もあるし枯れかけて萎れた黄緑もある。遠くの山の緑は薄い青緑だったり灰色だったりします。遠くの灰色の緑も近くに行けばここで見ている緑と同じ緑であることが想像出来ます。池の水面に映る緑はどんな色合いでしょう。風が吹きわたりさざ波立つ水面の緑はどんな色合いでしょう。小川の水は青でしょうか。透明感のある白だったり泡立ち飛沫は真っ白だったり、川底の土や岩の色だったり、川面に浮かび流れていく葉っぱの影が川底に映りこんでいたりします。

以上、上記した、いろいろな感触や聞こえてくる音や静寂、また、いろいろな香りを、「もし、色で表現するとしたら、あなたならどんな色?」—-こんな問いかけをすることもあります。その時のその場の気分で色を選んで応えていただいたら良いんです。気楽に思いつきで。さらに、「なんであなたはこの色を思いついたんでしょうね?」——特に答えを求めていません。自分に問いかけるのはあなた自身ですし、応えるのもあなた自身です。何の気なしに何の考えもなしに選んだかのように思えるその色はあなたの心の色を表しているのだと思いますがいかがでしょうか、とだけお伝えいたします。その後、しばらく一人の時間を設けて、好きな場所で過ごしていただきます。好きな場所とは、小川の岸辺であったり、切り株や気に入った樹木の根元、落ち葉の上、ベンチに腰かけてでも良い。しばらく一人ずつで散策路を歩くでも良いと思います。

丁寧に見ていくと新しい発見、日常では見過ごしていた、何か自分にとって大切にしたいものに出会うことってあなたは経験したことがありませんか? あるいは、以前は自分にとって大切なものと思っていたものや事を、忘れていた、感じなくなっている今の自分に気づくとか。中に取り戻しにいくことかも知れません。また、ちょっと大げさかも知れませんが、感じる自分を取り戻して新しい自分に生まれ変わるような体験かも知れません。人によって様々でですが、森の力とは、生きる力、再生する力、取り戻す力、立ち直る力、元気を取り戻す力と言えるかも知れません。そんな大げさなと言われるかも知れませんが、人からアドバイスを受けると半信半疑になりがちですが、森から力を与えられて自分が納得できれば、それは「腑に落ちる体験で」、自分のものです。あとは迷いなく前向きになれます。

森林セラピーが、五感を大事にすることはもちろんですが、五感以上の第六感や宗教性を排除したスピリチュアルな側面を持っていることを付記しておきたいと思います。

以上のような五感を使った体験を通して、次のプログラムでは黙想法を行います。

3.黙想法

ベンチに腰かけたりやマットにあぐらをかいたりして目を閉じ、前記した呼吸法をしながら、これまでの感じたことを振り返ったり、今・ここの感じていることに意識を集中するプログラムです。肩の力を抜いて、今・ここに集中できないようだったら呼吸に意識を集中してみる。
この繰り返しでしばらく黙想していただきます。

4.整理運動

ヨガマットの上で、ゆったりと指圧やマッサージ、軽いストレッチをして終了とします。

5.アンケート記入(10分)

森林セラピーの誌上体験をしていただきましたが、いかがでしょうか。プログラムはほんの一部です。2時間半(150分)アンケート記入10分を引いた、140分、準備運動・整理運動を引いて130分ほどが正味のセラピーで、歩きながら途中の林内の木陰、小川の岸辺、樹木の根元などで、3~4のプログラムをするのが限界です。

メニュー

体験会メニューでは、通常のフォーキング(散策)メニュー以外にも、お時間の制約やグループでの目的に沿ったメニュー等お申込者のご意見・ご要望をお聞きし実施メニューを調整させていただきます。お気軽にご相談ください。

五感を通じてと言いますが、森林セラピーで云うところの五感とはちょっと何か違うな、と思っていただけましたでしょうか。そこで案内人の技量が試されてきます。案内人の役割は参加者が森の力を感じてもらえるようにお手伝いすることです。何を伝えるかよりも、どう伝えるかが主眼点で研鑽を継続しています。