確か、8月に予約のお話があり、ガイドとの日程調整しながら、持ち物や服装、交通事情など打ち合わせしながら、やっと今日を迎えたという感じでした。当日のお天気は当地は朝から晴れてましたが、京都から道中、車のフロントガラスに雨粒が——–、心配されたでしょう。
朝6時に京都出発して、8時には心配した渋滞なくマキノに到着されて、先にピックランドとメタセコイヤ並木を見られてから9時にマキノ高原の「高島森林セラピー基地」に来られました。
まず基地で、個人ノートに今のご気分を記入いただき、その後オリエンテーション、また森の気持ちの良いかおり(クロモジの葉っぱやカツラの落ち葉)を味わっていただき、さあこれから探しに行きましょう。
ふもとからヨキトギ川の上流をたどって、奥に見える山の中腹くらいにある調子が滝までのびわ湖の水源をたどるコースです。ちなみに、ヨキとは樹を伐る斧のこと、トキとは砥ぐ、つまり、古代の人が樹を伐る斧の刃を砥いだ川と名付けました。若い人たちなので、下の基地の小屋からスキー場キャンプ場パターゴルフ場の芝生の登り道を15分ほどかけて本来のセラピースタート地点にたどり着きます。振り返ると芝生の緑色を背景にキャンプ場のたくさんの色とりどりのテントです。八重桜並木のトンネル抜け、ゴマギの葉やミズメの枝の香りを楽しんでもらいながら、少しずつ五感を開いていきます。
途中、治水のため(大雨時の土石流を防ぐ)の人工のダムがありますが、周囲の自然に溶け込んで気持ちの良いマイナスイオン・大音の波動・f分の1の揺らぎを感じてもらいながら、呼吸法と五感を開く黙想。森の香り・土の匂い・せせらぎの音・鳥のさえずり・樹々の枝葉の間から差す陽射し・柔らかい落ち葉の感触などなど。いろんな自然を感じていただきました。
流れ下ってくる小川の冷たさ、しばらく両手を水に浸して感じてもらいました。森の土壌から浸み出して濾過された水は、澄んで清涼でじっと浸けているとちょっと痛さを感じるくらい。
せせらぎの音、水の中から聞いた音(聴診器をつかって)はどんな音でしたか、水中に住む魚・昆虫・動物はこんな音の中にいつも身を置いているのでしょうか。
澄んだせせらぎの底の岩に映し込まれた樹々の枝葉の黒、せせらぎの流れる筋渦が白くキラキラとして周囲のみどりに照り映えていました。
白樺の林では、マットに寝転んでしばし休憩、眠っても良いし、仰ぎ見て青い空に浮かぶ白い雲の流れに身をまかせるようにただ見ている。白樺の丸いハートに見える葉の光と影。白樺の枝ぶりも見ていてどこか気持ちを落ち着かせる。少し低いところにはヤブツバキの濃い緑の厚い葉、高いところでは風が強かったせいか木の葉が激しく揺れて陽射しに輝いていました。
拓けたところから林道に出て、一丁目から十丁目まで滝のすぐ下の広場まで——–五丁目でちょっ と水分補給しましたが—-。
滝までの途中にある橋の上から「ヤホーッ」、聞こえてきます。橋を越えるとイタヤカエデの大木をくぐり、左手にやっとびわ湖の輝く水面が遠く森の谷間に覗いて見えてきました。大きな三本杉を過ぎると周囲にいつの間にか甘い綿菓子の香りに包まれました。カツラのハート型の落ち葉の香り。ところどころで匂い立ちます。イチョウの木の銀杏の実がたくさん落ちていてそこを過ぎると、落差16mほどの調子が滝到着です。
荷物を置いて、滝の真下まで。波動とマイナスイオンをまともに感じてもらいました。近くにはキタヤマブシのムラサキの花がさいていました。
ちょうど12時に滝の真近の広場までもどり、昼食。持参のおにぎりをそれぞれに食べ、食べながら、びわ湖の葦で作ったよし笛の演奏を聴いていただきました。その後は30分、マットの上に寝転んで休息。13時帰り道を出発。基地に13時半到着しアンケートにご記入いただいて終了しました。
けっこう歩きましたが、日ごろのお仕事で皆さん疲れが溜まってみえたよう、次から次へと仕事の段取りを考えながらお仕事して心身ともに疲れ切っていたようでした。
ほんとにゆっくりとした森の時間を味わっていただきました。森の時間と日常での時間の流れはまったく違うもの。色も色合も、香りも匂いも、感触も森の散策と日常生活のなかでの感覚が違います。日常は視覚と聴覚が優先されて感覚がアンバランスになっているようです。森に来て森の時間、五感をバランス良く感じていただく。また、日常の生活の中で、自分の疲れている度合にご自分のこころとからだで感じ取る、気づくことも大切ではないかと思います。自然の中を歩いて感じる五感は、すべてが一瞬も同じものがありません。それを「揺らぎ」と呼んでいます。私たちの体の中にも揺らぎがあります。血管やリンパ管を通る流れ、脈拍、心臓の拍動、など規則正しいとはいえども揺らぎがあります。自然の揺らぎとからだの揺らぎが同調とか・共鳴とか・調和とかする時、人は真に安らぎを得られるものだそうです。精神科医であり森林セラピストである方はそのように仰ってました。「揺らぎ」を一番の注目点として、次にその揺らぎの一つ一つを丁寧に感じていくことで「今、ここ」(NOW&HERE)も大切にしていくことが、現代人には大切ではないでしょうか。
森林セラピーの効果は、1~2か月間継続する測定結果が報告されています。また、森の恵みに森の力に癒されに来てね!。
仲間のグループだけで、とお望みでしたらガイドとの日程調整がつきさえすれば、月例会以外の開催が可能です。ぜひ、お問い合わせくださいね。